医師国家試験の受験資格
医師国家試験を受ける人は、大学の医学部などで医学の課程を履修して卒業した人(卒業見込みを含む)です。
つまり高等学校を卒業した後に、大学の医学部などに入学して6年間医学を学ばなければ、国家試験は受けられないのです。
医師国家試験の難易度
医師国家試験は毎年2月の中ごろに実施されます。
3日間にわたって試験が行われる長丁場で、合計500問が出題されます。
医師国家試験の合格率は約90%。
まじめに勉強をしていれば、ほとんどの人が合格できるレベルです。
しかし、大学の医学部に入学するのが難関で、有名校では偏差値75以上は必要ですし、比較的入りやすい大学でも偏差値60以上は欲しいところです。
そして、入学後の勉強も大変で、しっかりと学ばなければ卒業できません。
講義から実技、臨床実習まで学ぶことが非常に多いため、授業についていけなくて留年をする人もいます。
ですから、合格率が高いからといって難易度が低いわけではなく、国家試験のなかでも非常に難易度が高いのが医師国家試験なのです。
また、国家試験合格後は2年間研修医として働くことが義務付けられています。
そして2年の研修期間が終わると、その後専門分野を学ぶ後期研修で、さらに数年間働きながら研修を行います。
国家試験を取得しただけでは半人前扱いで、一人前の医者として認められるのは、30歳を過ぎてからといわれています。
しかし医師は研修期間が終了しても、一生学び続けなければいけません。
定期的に開催される学会に出席するなど、進歩を続ける医療に対応できるよう、常に新しい知識についての情報に接している必要があります。
勉強が好きな人でないと、勤まらない仕事です。
医師の平均年収
厚生労働省の調査によると2014年の勤務医の平均給与は89万2,700円(平均年齢40.8歳)、平均年間ボーナスは82万7,900円、平均年収は1,154万300円でした。
男女別に見ると、男性の平均給与は95万5,400円(平均年齢42歳)、平均年間ボーナスは91万3,300円、平均年収は1,237万8,100円。
女性の平均給与は73万8,300円、平均年間ボーナスは61万7,500、平均年収は947万7,100円となっています。
開業医になると年収はもっと高く、医療経済実態調査によると、年収は2,500万円を超えると報告されています。
(参考サイト)
http://www.jil.go.jp/institute/research/2012/102.html
しかし、勤務医の労働条件は過酷で、労働制研究・研修機構の調査によると、労働時間は1週間当たり平均で53.2時間。
また、60時間~80時間働いている人が、全体の4割を占めています。
1年間の有給休暇の消化数は47.2%が3日以下となっており、厳しい労働環境による過労死や医療事故などが懸念されています。