薬剤師

薬剤師の仕事

薬剤師の仕事は「薬の調合」、「服薬の指導」、「新しい医薬品の開発」など薬事に関する行政に携わる仕事です。
このため就職先としては「薬局」や「病院」、「製薬会社」、「行政機関」などさまざまな職業があり、多分野で薬剤師の専門知識が求められています。

そんな薬剤師に憧れている人も少なくはないはず。人命を救う、とてもやりがいのある仕事のひとつだからです。

そこでここでは薬剤師の資格や学ぶ場所、薬剤師の就職状況も踏まえて、ご紹介していきます。

薬剤師になるには国家試験が必要

薬剤師国家試験は、大学の薬課程で6年間勉強をしなければ受検できません。

薬剤師国家試験は毎年2月の終わりごろに行われます。
試験科目は必須問題と一般問題に分かれており、必須問題では薬学に関する問題をはじめ、物理や化学、生物といった理学系の問題、医療に関する問題や法律に関する問題が出題されます。
一般問題は理論と、実践に分かれており、こちらも様々な分野から問題が出されます。

過去5年間の合格率は2011年が44.44%、2012年が88.31%、2013年が79.1%、2014年が60.84%、2015年が63.17%でした。

このうち新卒生の合格率は2011年が33.55%、2012年が95.33%、2013年が85.09%、2014年が70.49%、2015年が72.65%となっています。

■参考:薬剤師国家試験|厚生労働省

薬剤師に向いている大学

関東近郊で薬剤師に向いている大学と言えば

  • 明治薬科大学
  • 東京薬科大学
  • 昭和薬科大学
  • 横浜薬科大学

などが有名ですが、薬剤師国家試験大学別合格状況を確認すると、必ずしも薬科大の受験者数や合格率が高いわけではないことがわかります。

参照:[PDF]第106回 薬剤師国家試験大学別合格状況

地方でも、北海道大学や東北大学、富山大学なども薬剤師に向いている大学だと言ってよいでしょう。

各大学によって学び方は異なりますが、薬のメッカである富山大学の薬学部の場合を見てみましょう。

薬学部には4年制の創薬科学科と6年制の薬学科があります。創薬科学科は新たな薬の研究開発などを行う学科で、「薬を開発するスペシャリスト」の養成が目的。卒業後は大学院に進む学生も多く、製薬会社の研究職などに就き活躍しています。薬学科は「薬を使うスペシャリスト」を育てる学科で、卒業後の進路は薬剤師が多いです。薬剤師は比較的女性に人気の職業であるためか、薬学部は他の理系学部と比べると女性比率が高いようです。

江戸時代から「富山の薬売り」という言葉があるように、薬の歴史と文化が息づいている街、富山市では今も薬のメッカと言えるのではないでしょうか。

そんな富山大学に都心部の生徒が通う場合、富山大学の近くの学生マンションを利用して通う人も多いようです。

薬剤師の職場状況

厚生労働省の調査によると2012年現在の薬剤師の数は全国で28万52人。
このうち男性は10万9,264人、女性は17万788人と女性が多く活躍しています。

就職先別で見ていみましょう。

  • 薬局で働いている人は全体の54.6%に当たる15万3,012人
  • 病院や診療所で働く人は5万2,704人
  • 大学で働く人は5,249人
  • 医薬品関係の企業で働く人は4万5,112人
  • 行政機関や保健施設で働く人は6,443人

となっています。
このことから、約半数が薬局で働いていることがわかります。

次に働いている人を年齢別に見ると、30歳~39歳7万1,782人(25.6%)次いで40歳~49歳の6万6,292人です。

また30代は薬局、病院、大学で働いている人が多く、40代は医薬品関連の企業で働いている人が最も多いと報告されています。

こうした報告を見ると。キャリアアップのため研究・開発職として転職するという人が多いことも伺えます。

薬剤師の平均年収

厚生労働省の調査によると、2014年の薬剤師の平均給与は37万6,000円(平均年齢38.6歳)でした。また、平均年間ボーナスは79万9,700円で、平均年収は531万1,700円でした。

男女別に見ると、

男性の平均給与

男性の平均給与は41万6,100円(平均年齢39.1歳)、平均年間ボーナスは91万1,600円、平均年収は590万4,800円。

女性の平均給与

女性の平均給与は35万1,100円(平均年齢38.3歳)、平均年間ボーナスは73万円、平均年収は494万3,200円となっています。

国税庁の発表では男性の平均収入は502万円、女性の平均収入は268万円ですから、男女ともに平均収入を上回っており、高収入が期待できる職業です。

ただし上記で上げた年収はあくまでも平均であり、この金額は経験年数やエリアなどによっても大きく異なります。
ドラッグストアなどが軒並み建っている関東エリア(主に東京や神奈川)では薬剤師不足と言われています。そのため、基本給なども他のエリアに比べると高く設定されていることも多いです。

上記のように神奈川県の薬剤師求人を確認すると、男女関係なく年収500万円以上という求人がかなり多いので、就職や転職をする場合にはそういったことも求人内容と一緒に確認しておくといいでしょう。