作業療法士の仕事
作業療法士は病気やケガなどで体が不自由になり、日常生活を送るのが難しくなった人にリハビリテーションを行うのが仕事です。
主に基本的な日常生活が送れるよう、そして社会のなかで生き生きと暮らせるように支援を行います。
その際には身体機能の回復だけでなく、障がいを持ったことで感じるショックや不安、焦りなどの精神面のサポートも行います。
また、日常生活が少しでも快適に遅れるように自宅の改修の相談にも応じています。
さらに、障がいを持ちながらもその人らしく生き生きとした人生が送れるように、趣味やレクリエーション、仕事への復帰、社会的な役割を見つけるなどの支援も行っています。
このように作業療法士の仕事は幅広く、子どもからお年寄りまで、あらゆる年代の人に対応します。
そしてこれらの業務を医師や看護師、理学療法士、介護福祉士、義肢装具士、家族の人など大勢の人たちと協力しながら行うのです。
このため、作業療法士にはいろいろな人と協力し合えるコミュニケーション能力が求められます。
作業療法士国家試験
作業療法士は国家資格です。
政府が認めた専門の学校で必要なカリキュラムを学んだあと、国家試験に合格する必要があります。
高等学校を卒業後作業療法士の育成学科がある大学か短大、または専門学校で学びます。
学校では一般教養をはじめ、医学的な専門知識、福祉や作業療法についてなど、幅広い分野の知識をみにつけための授業が行われます。
また病院や施設で臨床実習を行って、学んだことが現場で生かせるよう実践力を身につける授業も重要です。
作業療法士国家試験は毎年2月の終わり頃に実施されます。
過去5年の合格率は2011年が71%、2012年が79.7%、2013年が77.3%、2014年が86.6%、2015年が77.5%でした。
作業療法士の就職状況
作業療法士の活躍できる分野は幅広く、主に身体の障がいを治療する分野、精神の障がいに関わる分野、発達障がいに関わる分野、高齢者の障がいにかかわる分野、地域に密着したリハビリテーションを行う分野に分かれます。
このため就職先も病院や診療所といった医療機関、老人保健施設や訪問看護ステーション、デイサービスなどの介護施設、保健センターなどの行政機関、児童福祉施設、養護学校などの教育機関など、さまざまな場所で活躍しています。
近年では地域の人たちの健康ニーズに対応するために、地域コミュニティでの健康指導、在宅で介護を受ける高齢者や障がい者の支援、介護施設の運営など、多岐にわたる活動が活発に行われるようになりました。
作業療法士の平均年収
作業療法士の収入は、理学療法士とほぼ同じです。
厚生労働省の調査によると、2014年の作業療法士の給与額の平均は27万4,000円、年間ボーナスの平均額は60万9,400円、平均年収は389万7,400円となっています。