保健師の仕事
保健師は地域の人たちの健康管理、健康促進を行うのが仕事です。
生まれたばかりの赤ちゃんから、お年寄りまで、また健康な人や病気や障がいのある人など、地域に住む人たちの健康を支えるためにさまざまな活動を行います。
たとえば乳幼児健診、健康診断、子育て相談、予防接種などを通じて、健康に関する啓蒙活動を行っているのです。
このように地域住民の健康に関わるため、看護師の資格がなければ保健師の国家試験には受検できないと定められています。
保健師になるためには?
保健師国家試験の受験資格は看護師免許が必要です。
したがって保健師を目指す人は、まずは看護師の資格を取得しましょう。
しかし、4年制の大学で保健師になるために必要とされる科目を履修すれば、大学を卒業する年に看護師と保健師の国家試験を同時に受検できます。
このことから保健師になるための最短コースは、看護師と保健師を養成する学科のある4年制大学で学ぶことです。
また、看護師の資格をとったあと、保健師養成学校に通うか、保健師養成課程のある大学に編入して必要なカリキュラムを履修してから保健師国家試験を受験する方法もあります。
保健師国家試験
保健師国家試験は毎年、2月に実施されます。
)5年間の国家試験の合格率は2011年が86.3%、2012年が86.3%、2013年が96%、2014年が86.5%、2015年が99.4%でした。
新卒生の合格率はさらに高く、2015年の新卒生の合格率は99.6%と、ほとんどの受験者が合格しています。
難易度は高くないとはいえ、看護師と保健師、2つの国家試験を取得しなければいけませんから、簡単なことではありません。
しっかりと勉強をすることが大切です。
保健師の職場状況
保健師は主に、地域住民の健康に関する仕事を行います。
このため保健師の就職先は地方自治体の保健所や保健センターといった行政機関が多くなり、公務員として働くのが一般的です。
また、病院に勤務する保健師もいますし、企業に就職をして従業員の健康管理や職場環境を整えるなどの仕事に携わる人も少なくありません。
このほか養護教諭として学校や、福祉施設に就職する人もいます。
保健師は残業が少ない仕事で働きやすい職場が多いため、特に女性に人気の職業です。
近年の少子高齢化で高齢者の健康管理はもちろんのこと、若くて健康なうちからの介護予防を行う必要性が高まっているため、介護分野でも保健師の活躍の場は広がっています。
このほか引きこもり、自殺、うつ病など精神的に苦しんでいる人のケア、子育てに悩むお母さんの相談に乗るなど、あらゆる年代の人たちから保健師の専門知識が求められています。
保健師の平均年収
総務省の地方公務員給与実態調査によると、2015年の公務員給与のうち看護師・保育士の平均給与は31万7,225円、平均年間ボーナスは42万6,732円でした。
このことから計算すると、通勤手当手や残業手当などの諸手当を含まない年休は、平均で423万3,432円となります。