中小企業診断士は、その名の通り中小企業の経営状態を診断し、業績向上のための適切なアドバイスを行う、民間の経営コンサルタントの国家資格です。
法律にもとづき、経済産業大臣が国家試験合格社を登録し、専門的知識があることを認める制度で民間の経営者がコンサルタントを選ぶ際の基準となっています。
中小企業診断士は、専門知識を生かして企業の成長戦略を考案したり、相談に乗ったりします。
また、行政から受けられる各種補助金などの支援や、金融機関からの融資が受けやすいようにアドバイスを行うなど中小企業と行政機関などをつなぐ橋渡し役としての役目も担っています。
中小企業診断士になるには?
中小企業診断士試験は国家資格です。
したがって、国家試験に合格しなければ資格は得られません。
中小企業診断士の試験は、第1次と第2次に分かれています。
第1次試験は毎年8月ごろに実施されます。
この第1次試験に合格した後、次の2つの方法から、いずれかを選んで終了すれば、中小企業診断士の登録が行われます。
(1)中小企業診断協会が行っている第2次試験を受験。
合格後、15日以上の実務講習を受けるか診断業務を行う。
(2)中小企業基盤整備機構または中小企業診断士を養成する機関が行う授業を履修する。
第1次試験は筆記試験で経済、財務・会計、経営、マネージメント、法務、情報管理、政策といつた7つの科目から出題されます。
第2次試験は筆記と口頭試験に分かれており、筆記試験は毎年10月、口頭試験は毎年12月ごろに実施されます。
試験では、中小企業診断士の業務に関する専門的な問題が出題されます。
過去5年間の第1次試験の合格率は2010年が15.9%、2011年が16.4%、2012年が23.5%、2013年が21.7%、2014年が23.2%でした。
第2次試験の合格率は2010年が19.5%、2011年が19.7%、2012年が25%、2013年が18.5%、2014年が24.3%でした。
どちらの試験も合格率は低く、難易度の高い試験となっています。
中小企業診断士の就職先
中小企業診断士の資格を取った後の就職先は、コンサルティング会社が主ですが、一般企業でも経営ノウハウを持つ中小企業診断士の専門知識を求めているところが多いですから、企業に就職をする人も少なくありません。
また、独立開業をして経営コンサルタントとして中小企業の相談業務や講演活動を行うなどして活躍している人も大勢います。
このほか中小企業支援センターなどの行政機関に勤めて、中小企業の支援を行うケースもあります。
独立開業をしている中小企業診断士の平気年収は500万円~800万円とされており、年収1,000万円以上の中小企業診断士も4割近くいると報告されています。