歯科医師国家試験

歯科医師

歯科医師は、歯や口の中の傷病の予防・治療を行う専門医です。高齢化が進む近年では、介護が必要な高齢者の虫歯予防や口腔ケア、ものを飲み込む力が弱くなった高齢者への対応など、介護分野でも歯科医師のニーズが高まっています。高齢者の歯のケアを行うために、自宅や老人介護施設に訪問をして歯科診療を行う医師も増えてきました。

また、これまで主流だった虫歯や歯周病の予防・治療だけでなく、歯の矯正やホワイトニング、インプラント、審美治療など、新しい分野での治療に人気が集まっており、これらの治療に力を入れる歯科クリニックが増えています。

歯科医師国家試験

歯科医師のになるためには、歯学部のある大学や歯科大学で6年間、必要な知識と技能を学んだあと、国家試験に合格しなければいけません。

歯科医師国家試験は毎年1月末ごろに2日間にわたって実施されます。合格率は66%前後ですが、新卒学生のみの合格率を見ると、70%を超えています。

歯科医師の年収

厚生労働省の調査によると2014年の歯科医師の平均給与は58万5,200円(平均年齢37.3歳)、平均年間ボーナスは32万400円、平均年収は734万2,800円でした。

男女別に見ると、男性の平均給与は64万8,300円(平均年齢39歳)、平均年間ボーナスは30万1,700円、平均年収は808万1,300円。女性の平均給与は41万7,100円(平均年齢32.9歳)、平均年間ボーナスは37万円、平均年収は537万5,200となっています。

歯科医師の就職先

歯科医師の資格を取った後は、歯科医院に就職をするのが一般的ですが、多くの人が開業をして自分の経営する歯科医院で働いています。このほか、一般病院に就職する人、大学院に残って研究を続ける人、公務員として役所で働いている人もいます。

一般の総合病院では歯科や口腔外科に就職し、個人の歯科クリニックでは治療が難しい抜歯や、口のなかのがんなどの治療を行います。また、ほかの部位のがんでも、抗がん剤や放射線のによる治療をするときに、口腔ケアを同時に行うと治療効果が上がるため、がん患者の口腔ケアも行っています。

がんの治療は非常なスピードで進歩を遂げており、現在ではより苦痛の少ない治療法が模索されています。しかし、がんの治療中に口の中にさまざまな副作用が発生して、患者さんに大きな苦痛を与えることが少なくありません。そこで、アメリカではがんの治療の前に歯医者にかかるのが一般的となっており、今後は、日本でもこのような取り組みが進むと考えられます。

(参考サイト)
http://www.jda.or.jp/park/relation/teethlife.html#2

また、歯が体全体の健康に及ぼす影響は大きく、歯が20本以下の人は認知症にかかるリスクが1.9倍、要介護認定を受けるリスクが1.2倍高まると報告されています。高齢化が進むにつれて介護予防、認知症予防の動きが高まっています。このため、一般医療や介護分野でも歯科医の活躍が期待されており、ますます活躍フィールドが広くなると考えられます。

歯科医のキャリアアップ

歯科医の働き方には医療施設に被雇用者として従事している勤務医と、自ら診療所や病院を経営している開業医があります。勤務医のメリットは体調不良時に代診を頼めたり、転職や移動の可能性がある時に比較的移動しやすいし収入が安定するといいう事が挙げられます。

また、開業医のメリットに関しては制約が無い為、診療スタイルや休診日、また自分の理想とする病院を持つことが出来、また成功すれば勤務医よりも年収が上がるという事が挙げられます。反面で経営や開業にあたっての準備はすべて自己責任であり、医療技術に関する事のみでは開業医として働く事は難しいのが現状です。

そのような中で開業をトータルサポートする企業も増えています。
経営についてのノウハウや物件探し、資金の調達について開業のプロからアドバイスを貰えるため、経営に関して知識が無くとも開業が失敗しないような準備を進めることができます。

とはいえ、現在は独立開業をする歯科医師の数がとても多く、他と差別化できる強みがなければ、歯科医院の経営を続けて行くのが難しいことは理解しておく必要がありますので、成功するためのコツを押さえておくことは必要不可欠になります。